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国内外の成功事例から見えてくる、成功のコツとは?

成功したPR事例に共通する要素

成功しているPRは以下の6点の特徴を持っていることがわかります。

PRの目的が明確

誰の眼にも「何のPRか」「何が言いたいのか」が伝わるものばかりです。

特定のターゲットが絞られている

誰を対象にしているのかも、はっきりわかります。さらに対象とされている人が「これは自分の問題だ」と思えるようなつくりになっています。

ターゲットがリーチしやすいツールが用いられている

PRで活用されているのは動画ばかりではありません。対象が子どもであれば、出張授業、社会全体の注目を引きたい場合は大規模なイベントなど、さまざまな対象によってさまざまなツールが選択されています。

社会的課題を取り上げ、ストーリーで伝えて視聴者の共感が得られる

ブランドジャーナリズムという考え方が、近年注目されています。特に若い世代を中心に、少しぐらい価格が高くても、環境に配慮した商品や、共感できる思想を打ち出しているブランドを好む消費者が増えています。キャンペーンでも、ブランドジャーナリズムを取り入れたものは、多くの消費者の賛同を集めています。

ターゲットの意識変革や行動変容に向けたメッセージ

成功したPRは「おもしろいな」「きれいだな」にとどまらない、呼びかけが含まれています。メッセージを受け取った視聴者は「自分はどう思うのか?」と考え、次の行動を自発的に起こしたいと考えます。

効果が計測されている

成功したPRはかならず成果が計測されています。

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海外のPR成功事例

事例1. BtoC企業による、消費者に向けた問題提起PR動画

ダヴは日本でも展開しているパーソナルケア商品のブランドです。2004年から「本物の美のためのキャンペーン」を展開しており、2013年に「リアルビューティスケッチ」キャンペーンを実施しました。

動画内に登場するのは本物の捜査官で、目撃者証言を元に容疑者の似顔絵を描く専門家です。動画では捜査官がひとりの女性の顔を「本人の説明で描いた似顔絵」と「他人の説明で描いた似顔絵」をそれぞれ作成して、本人に見比べてもらう構成です。

PRのターゲット

メインターゲットは女性です。登場するのはいずれもモデルではない、アジア系やアフリカ系も含めた普通の女性たちです。PR動画の視聴者は「まるで自分が動画内にいる」と感じられるように、セリフやカメラアングルが工夫されています。

ターゲットの反応と効果

PR動画は公開12日間で5,000万回以上の再生回数を記録しました。「ほとんどの女性は自分の容貌を歪めて見ている」という動画のメッセージは、多くの人に届き、心を動かしたことがわかります。

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国内のPR成功事例

事例1. 地方自治体による観光誘致のPR動画

「PR動画」と検索すると、地方自治体のPR動画がいくつもヒットするほど、地方自治体のPR動画作成が盛況です。その引き金になったのが、2017年9月に配信された佐賀市のPR動画でした。YouTubeで配信した動画は、世界中で2,060万回視聴(2019年時点)、Like率98.5%と大きな成功を収め、後に「佐賀モデル」という言葉が生まれたほどです。

PR動画のターゲット

佐賀市は2008年頃から増えつつあった外国人旅行客をさらに増やしていくために、動画制作・配信を企画しました。3,600万円という多額の資金を「製作費 : 広告配信費 : 分析費」=「3:6:1」の割合で配分し、YouTube配信に多くの費用を割きました。

主なターゲットとしたのは、閲覧履歴からわかった日本に関心を持つ人の多い国(台湾、香港、韓国、タイ、アメリカ、オランダ)の人々です。その6か国を中心に配信したところ、公開後6日間で200万回も再生されることになりました。

さらに動画に登場する熱気球や伝統産業、佐賀城などの詳しい情報が得られるリンクをまとめた視聴者の受け皿として、ランディングサイトも作成しています。

ターゲットの反応と効果

「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」での気球や、伝統産業を紹介した動画は、多くの人の興味を引いただけでなく、実際の観光客誘致にもつながりました。外国人宿泊数は2011年には2,017人だったのが、2018 年は79,868人と約40倍にも跳ねあがったのです。

YouTubeのコメント欄には、外国人から以下のような声が書き込まれています。

「スキップしないで最後まで見た初めての動画だ」

「音楽と映像がとても美しい」

「バルーンフェスタに行ってみたい」

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