Hugo

PRを、世の中にとってより価値あるものに

SNSの登場によって、誰もが情報発信できるようになった結果、情報量が爆発的に増大しました。2001年と比べると、SNSの情報発信量は2021年には1,400倍にもなるという試算もあります。

情報が氾濫し、情報の99%が誰にも振り向かれずに流されている時代に、確実にユーザーに届き、受け留めてもらうためには、PRの成功事例がかならず役に立つはずです。

・PRの目的が明確 ・特定のターゲットが絞られている ・ターゲットがリーチしやすいツールが用いられている ・社会的課題を取り上げ、ストーリーで伝えて視聴者の共感が得られる ・ターゲットの意識変革や行動変容に向けたメッセージ ・効果が計測されている

本記事で取り上げた6つのポイントをふまえ、共感を生み、行動したくなるPRを制作してください。

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海外のPR成功事例

事例1. BtoC企業による、消費者に向けた問題提起PR動画

ダヴは日本でも展開しているパーソナルケア商品のブランドです。2004年から「本物の美のためのキャンペーン」を展開しており、2013年に「リアルビューティスケッチ」キャンペーンを実施しました。

動画内に登場するのは本物の捜査官で、目撃者証言を元に容疑者の似顔絵を描く専門家です。動画では捜査官がひとりの女性の顔を「本人の説明で描いた似顔絵」と「他人の説明で描いた似顔絵」をそれぞれ作成して、本人に見比べてもらう構成です。

PRのターゲット

メインターゲットは女性です。登場するのはいずれもモデルではない、アジア系やアフリカ系も含めた普通の女性たちです。PR動画の視聴者は「まるで自分が動画内にいる」と感じられるように、セリフやカメラアングルが工夫されています。

ターゲットの反応と効果

PR動画は公開12日間で5,000万回以上の再生回数を記録しました。「ほとんどの女性は自分の容貌を歪めて見ている」という動画のメッセージは、多くの人に届き、心を動かしたことがわかります。

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国内のPR成功事例

事例1. 地方自治体による観光誘致のPR動画

「PR動画」と検索すると、地方自治体のPR動画がいくつもヒットするほど、地方自治体のPR動画作成が盛況です。その引き金になったのが、2017年9月に配信された佐賀市のPR動画でした。YouTubeで配信した動画は、世界中で2,060万回視聴(2019年時点)、Like率98.5%と大きな成功を収め、後に「佐賀モデル」という言葉が生まれたほどです。

PR動画のターゲット

佐賀市は2008年頃から増えつつあった外国人旅行客をさらに増やしていくために、動画制作・配信を企画しました。3,600万円という多額の資金を「製作費 : 広告配信費 : 分析費」=「3:6:1」の割合で配分し、YouTube配信に多くの費用を割きました。

主なターゲットとしたのは、閲覧履歴からわかった日本に関心を持つ人の多い国(台湾、香港、韓国、タイ、アメリカ、オランダ)の人々です。その6か国を中心に配信したところ、公開後6日間で200万回も再生されることになりました。

さらに動画に登場する熱気球や伝統産業、佐賀城などの詳しい情報が得られるリンクをまとめた視聴者の受け皿として、ランディングサイトも作成しています。

ターゲットの反応と効果

「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」での気球や、伝統産業を紹介した動画は、多くの人の興味を引いただけでなく、実際の観光客誘致にもつながりました。外国人宿泊数は2011年には2,017人だったのが、2018 年は79,868人と約40倍にも跳ねあがったのです。

YouTubeのコメント欄には、外国人から以下のような声が書き込まれています。

「スキップしないで最後まで見た初めての動画だ」

「音楽と映像がとても美しい」

「バルーンフェスタに行ってみたい」

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